認知症プログラムは、米国メディカルケアコーポレーション(MCC社)で開発された、認知症の早期発見・治療を推進するためのプログラムです。
MCC社では、最新かつEBM(Evidenced Based Medicine)の高い医療情報と、統計解析手法や「データマイニング・知識発見」手法を組み合わせ、データ解析のためのアルゴリズムを開発しています。これらのアルゴリズムと、MCC社の大規模医療データベースを組み合わせることにより、精度の高いアセスメントツールやモニターツールの構築を実現しています。
認知症プログラムの開発は、米国アルツハイマー協会とNIHの助成による研究プロジェクトが基盤となっています。カリフォルニア大学アーバイン校のアルツハイマー研究センターにおいて臨床センター長であったDr.シャンクルが、1987年のセンター開設当初より、認知症の早期発見・治療を目的とした診断手法や大規模医療データベースの開発に着手。その後、10年間で蓄積した認知症に関するデータは、米国内最大のものとなっています。1999年、カリフォルニア大学の承認のもと、MCC社を設立し、それまで蓄積した研究結果と医療データベースをもとに、専門医以外でも利用できる、精度の高い認知症診断・治療サポートシステムの構築にあたっています。 Dr.シャンクルは、MCC社会長兼Chief Medical Officerを務めるかたわら、現在でも1997年設立の私設認知症クリニックShankle Clinicにおいて認知症患者のケアにあたっています。
認知症プログラムを構成するそれぞれのモジュールは、国際的に利用されているテストや判定基準とMCC社独自の解析手法を組み合わせ、それらの精度を向上しています。また過去10年以上にわたって蓄積された大規模医療データベースからの情報も反映されています。
MCCのコア技術である「データマイニングおよびデータベースからの知識発見(Knowledge Discovery and Data Mining: KDD)」は、従来の統計解析の手法では扱うことの難しかったデータを含めて、あらゆる形式のデータベースから知識を抽出する新しい手法で、医療データベースのような様々な形式のあるデータ解析には最適です。KDDの特徴は、データ解析をデータベース、人工知能、統計の3つを統合的なプロセスととらえるところにあり、これら3つの分野の境界領域をとらえることができます。またMCCシステムを通して日々収集される医療データは、随時解析・分析され、システムの質の向上に再利用されています。
| 予防法チェックテスト | 認知症リスクに関連する疾病やライフスタイルに関する最新の臨床研究論文や発表より、最高のEBM基準を満たす結果を採用している。現在約5000件の研究結果が反映されている。 |
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| 認知度チェックテスト | 認知症診断テストバッテリーである米国NIH作成のCERAD(Consortium to Establish a Registry for Alzheimer’s Disease)の評価基準をもとに、MCC独自のアルゴリズムと医療データベースを組み合わせ、高精度を実現。 |
| うつ状態チェックテスト | 世界中の医学界で精神医療の基準として利用されているDSM-IV分類法(『精神障害の診断と統計マニュアル第4版』)に基づき、臨床的うつ病を判定します。米国精神医学会発行。 |
| もの忘れ度チェックテスト | 米国衛生健康局(The Agency for Health Care Policy Research)が推奨するスクリーニングテスト、MMSE(Mini-Mental State Exam)、FAQ(Functional Activities Questionnaire)、IQ Code(The Informant Questionnaire on Cognitive Decline in the Elderly)とMCC独自のアルゴリズムと医療データベースを組み合わせ、精度の高いスクリーニングツールを実現。 |
| 認知症モニターツール | 大規模医療データベースと臨床経験をもとに、認知症に関連する約50の問題行動や症状をモニター。 |
|---|---|
| 認知症レベルチェック(FAST) | 認知症診断テストバッテリーである米国NIH作成のCERAD(Consortium to Establish a Registry for Alzheimer’s Disease)の評価基準をもとに、MCC独自のアルゴリズムと医療データベースを組み合わせ、高精度を実現。 |
Dr. William Rodman Shankle ウィリアム・R・シャンクル 略歴
認知症の専門医(神経科)であるとともに、神経生理学、数理統計やコンピュータ・サイエンスの分野にも深い理解がある。 スタンフォード大学において生物学を、南カリフォルニア大学、ハーバード大学において統計学(統計学修士)を、またブラウン大学において医学を学ぶ。その後シカゴのクックカウンティ病院において内科の、カリフォルニア大学ロサンジェルス校及び南カリフォルニア大学において神経科のトレーニングをうける。1988年、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)において、アルツハイマー医療センターならびに研究センターを設立。10年間に渡り医療部門センター長として認知症診断・治療のみならず、電子医療記録や認知症診断支援システムの構築にあたる。在任中に、アルツハイマー医療センターならびに研究センターを州の認知症専門機関及び米国の国立認知症専門クリニックとしての認定に導くと同時に、このクリニックで収集された認知症に関するデータベースは、米国最大規模となる。また彼の脳研究における発見は、1990年代の最も重要な発見としてニューヨーク・タイムスやロサンジェルス・タイムスに紹介され、2001年には米国アルツハイマー協会より、認知症研究への貢献に対し、その最高賞の1つであるZenith Pioneer賞を受する。
1997年に、アルツハイマー医療センターならびに研究センターを辞任した後、地域に密着した私設の認知症クリニックを設立し、現在でも認知症の診断・治療にあたっている。また1999年にメディカル・ケア社を共同創立し、認知症診断システムの構築、医療コンサルティング、医療研究開発などの事業もてがけている。
現在、メディカルケア社チーフ・メディカル・オフィサー、米国アルツハイマー協会助成審査委員、オーソマクニール、フォレスト・ラボラトリやノバルティスといった認知症薬をもつ医薬品会社のアルツハイマー型認知症研究・教育顧問を兼任している。またUCI認知科学において、現在も認知症関連の研究や博士課程の学生指導を続けている。
原淳子(学術博士−バイオインフォマティクス・医療情報工学専門)略歴
バイオインフォマティクス、医療情報工学の専門家であるとともに、産官学の研究プロジェクト、産業プロジェクトに関しても精通する。
徳島大学工学部をへて慶應義塾博士課程終了後、慶応義塾大学SFC研究所、カリフォルニア大学アーバイン校においてアルツハイマー型認知症の早期発見に関する研究を、カリフォルニア工科大学生物学科において脳のコンピュータモデリングの研究を10年間にわたり行う。アルツハイマー型認知症の早期発見手法に関する研究は慶応義塾大学よりSFC賞を受賞。また、幼児脳の発達における共同研究結果は、1990年代の最も重要な発見としてニューヨーク・タイムスやロサンジェルス・タイムスに紹介される。
1999年にメディカル・ケア社を共同創立し、認知症診断システムの構築、医療コンサルティング、医療研究開発などの事業をてがけている。 また、現在でもカリフォルニア大学認知科学科において、アルツハイマー型認知症の研究を行うとともに、関連分野の出版物の翻訳も手がけている。


