総支配人コラム
2017.06.11
心を配る
「最近の天気予報はよく当たるようになりましたね。わかってしまうから、晴れたらいいなと思ってテルテル坊主を作ることが無くなったのではないでしょうか。わからないから工夫や期待が出来ることもあるのはないでしょうか。」そうお話をされたのは、世田谷区野沢にある「龍雲寺」の細川晋輔住職です。
ヒトが二足歩行をはじめた時、草むらには多くの恐ろしい敵がいて生まれ落ちた人類を狙っていました。私達のご先祖様は日夜「心配」に苛(さいな)まれて生き抜いてきたその中に、火を使い、石器を用いて敵に立ち向かうという知恵が生まれました。必死に創意工夫を重ねてきた歴史が人間の脳を発達させる源になったと思えます。
明日を憂い、心配することは後ろ向きなエネルギーのように思いますが、心配こそ計画と戦略を作り、創意工夫を生むのではないかと思えます。まさに心配とは心を配る、ですね。
実は最近、冒頭でご紹介した龍雲寺に座禅に通っています。週末の早朝6時、開門と同時に老若男女が百名近く参集し、広い禅堂は静寂の人で埋まります。私が卒業した看護学校には何と授業の一環で「座禅」があり、よい体験として身近に感じていた所もあります。
ただ座るだけですが、ただ座るのは私には難しいです(笑)いろいろな思いが頭の中を巡りますが、時には静かに座って心と身体、呼吸を調え、周囲へ心を配れるよう努めたいと思うのです。