総支配人コラム

2012.10.26

「どうして、開けゴマは”ゴマ”なのぉ?」

この記事をコピー

「どうして、開けゴマは”ゴマ”なのぉ?」
ある週末ののどかな電車の中で、突然小さな男の子の無邪気な声が響きました。
自宅近くを走る多摩川線は、蒲田駅と多摩川駅を結ぶ車両3両のアットホームな路線です。

週末の昼下がりで車内は空いており、車両全体が見通せるほどでした。
5歳くらいの男の子が、ドアの開閉に合わせて「ひらけ~ゴマ!」と呪文を唱えては、その通りに開く電車のドアに大喜びするその様子に車内も微笑ましい雰囲気が漂っていました。
ところが突然その声が質問に変わりました。
「ねぇどうして”ゴマ”なの?」と。

車内にいた大人たちは一瞬、お互い眼をそらすように固まりました。
「そう言えば、どうして”ゴマ”なんだろう?・・・」と。
そして、側にいたお父さんらしき男性が男の子の何とも素朴な質問にどう答えるかに興味が集中しました。

すると、お父さんらしき男性は特に動じるふうでもなく、七分パンツのポケットから”スマホ”を取りだして何やら操作した後にこう答えました。
「ゴマっていう英語(sesame)には、通行券とか解決の糸口という意味があるからだって」と。
「フ~ン」と男の子。納得したのかしないのか、男の子の中から”ゴマ”の謎はもうどこかに消えてしまいました。

そんなことがあった週明け、山中伸弥氏のノーベル生理学・医学賞受賞のニュースを知りました。
日本人として、人類として大変嬉しく感じたと同時に、なぜか週末に出会った”消えたゴマの謎”を思い出していました。

メールと電話が同じスピードで扱われがちな現代において、人は効率化の中で半人前になっていないだろうか、と。
“なぜ”という疑問や”どうしたら”という工夫を繰り返しながら、軽やかに諦めない辛抱を自分は持っているだろうかと自問自答しました。
人類の知見を一新した山中氏の偉業に接し、思い続けることが未来を拓く糸口であるというメッセージを受け取りました。

ご入居のご相談、お問い合わせはこちら

お電話でのお問合せ 0120-33さんさん-5943いつくしみ(受付時間 9:00-18:00)

お問合せはこちら