総支配人コラム
2015.04.27
時計の反対回り
最近電車の中では卒業式か、卒園式か・・・晴れやかな装いの方を見かける機会が増えました。
この時期、新しい人生をスタートさせる方も多いことでしょう。セントケアでも4月から多くの新入社員を迎えます。
人が育つその「環境」の大切さ実証した興味深い実験を知りました。
社会心理学の大家で、ハーバード大学のエレン・ランガー教授がされた「時計の反対回り」というオモシロイ題名の実験です。
高齢者に5日間、その人が「25歳の頃に過ごした環境」の中で過ごしてもらうという実験です。
ラジオから流れる音楽も、ニュースも、本も、着る洋服も、25歳の頃のものに「仕立て」、実験スタッフは、高齢者たちに、完全に健康で若々しい「25歳として」接するそうです。
実験後、驚くべきことに、高齢者たちの視力、聴力、記憶力が改善し、外見も著しく若返ったというのです。
この実験が言わんとしているのは、それが”あたり前”と思う環境は、人の振る舞いやもたらされる結果に大きな影響を与える、ということではないでしょうか。
たとえ本人がそれを認識していなくても。
つまり、本人や周囲が認識しているかどうかに関わらず、そこにある”あたり前”の環境、風土は人を作る、ということだと思うのです。
とかく私たちは新人スタッフに対し、個人の能力を育成しようとマニュアルや研修を詰め込みたくなります。
が、しかし、あえて個人の能力育成の視点を脇に置き、周囲にいる私達が、人が育つ環境、風土を作ることにもっともっとエネルギーを注ぐ必要があると問われているように思います。
新しい年度を迎えるこの時期に、改めて人が育つために必要な”あたり前”の環境、風土を作ることを貪欲に追い求めたいと思いました。