総支配人コラム
2014.02.20
なれる最高の自分になる為に
この時期、大変不謹慎ではありますが”誤審”について思いを巡らせています。
オリンピックの”誤審”といえば、元柔道男子日本代表監督、篠原信一氏のことを思い出す方もいるのではないでしょうか。
2000年のシドニー五輪100kg超級決勝フランスのドゥイエとの対戦。
ドゥイエが得意の内股を繰り返すなか、それを待ってましたとばかりに篠原はすかし、ドゥイエは背中からきれいに畳に落ちた。
篠原の必殺技、一本が決まった!・・・と誰もが思った。
ところが、主審と副審の一人はドゥイエの技を有効とした。
篠原の体制不利と見なされた。
篠原が振り上げた右手のガッツポーズは宙に浮いた。
試合後、山下泰裕選手団監督はビデオを見せながら26分間にわたる猛抗議したが、判定は覆らなかった。
当時の記事を読むと、日本では誤審と断定して審判への批判合戦。
全日本柔道連盟にも抗議が殺到し、中には主審を務めたニュージーランド柔道連盟(主審の出身国)に脅迫まがいの電子メールを送りつける者までいたようです。
後日、国際柔道連盟はビデオの結果を分析し誤審と認めましたが、規定上判定自体は覆りませんでした。
篠原選手の試合後の言葉が大変印象に残っています。
「あれは自分が弱かったから負けた」
「審判に不満はない」
「本当に自分が強ければだれが見ても納得するような柔道が出来たはずだ」と。
全ては自分との戦いなのでしょうか。
与えられた役割を全うする、つまりそれは自分自身に向き合い「なれる最高の自分になる」ことであり自己実現そのもののように思います。
私は根っからの文系ですが、今は亡き実父がラガーマンだったこともあり、子どもの頃の写真はラグビー場で撮ったものが多く残っています。
そんな父は「審判には従うもの。たとえ間違っていると思ってもそれは受け入れる」とよく言っていました。
その言葉の意味が今はわかるような気がします。
ソチで頑張る選手の皆さんへ、自分との戦いに心からエールを送ります。
ガンバレ!!