総支配人コラム

2013.10.20

生命は

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心にとても柔らかく届く詩に出会いました。
作者によると、ある時、庭の芙蓉の花を見て詩想がわいたといいます。

寡聞にして恥ずかしながら、普段あまり詩にふれることのない私ですが、生命のつながりの可能性にみちあふれた詩空間に感動しました。
世界を<他者>の総和とし、自分も<他者>の一人であるという関係性をこんなに豊かに感じられたことに感謝し、ご紹介させて頂こうと思います。

生命(いのち)は
吉野弘

生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命はすべて
その中に欠如を抱(いだ)き
それを他者から満たしてもらうのだ
私は今日、どこかの花のための
虻(あぶ)だったかもしれない
そして明日は
誰かが
私という花のための
虻であるかもしれない

(詩集「風が吹くと」所収)

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