日常レポート
2009.09.15
老人の日
夕映えが美しいように、老人の場所から見た世界は美しいのです。
【伊藤整(1905~1969)評論家・詩人/「変容」より】
以前、夕暮れ落ちたある駅前のベンチで座っていた時、90歳の女性が、ふらりと隣に座ってきたことがありました。「・・TVも見ないし、ベランダもないから、いつも夜はね、ここに座って帰る人たち眺めているの。面白いわよ,, ,」ふと気がついたら、いつの間にか自然と色んな話を彼女としていました。稚内から一人で東京に出てきたこと、36歳の時に旦那さんが亡くなったこと。そこから一人で生きてきたこと。今はスーパーに行く事が楽しみなこと・・・。
「まだまだ人生は長いよ、色んな事がある。
待ちくたびれたっていいんだよ。焦らない、焦らない,, ,」
と、お祖母さんはそう言うと、ベンチの後ろに建っている古い団地へ帰って行きました。
不思議な出会いでした。
..+*.★
今日は、敬老の日から変わった「老人の日」
【老人に対し自らの生活の向上に努める意慾を促す日。】
※敬老の日は、2001年の祝日法改正いわゆるハッピーマンデー制度の適用によって、2003年からは9月第3月曜日となりました。第3月曜日に移すにあたって、高齢者団体から反発が相次いだため、2001年に老人福祉法第5条を改正して9月15日を老人の日になりました。
~ある年齢に為らなきゃわからない事がある。ふとしたことが、楽しく、美しく、幸福と感じる事がある。きっと今夜も、あのお祖母さんは【ただ家路へ向かう人々】を見て、今日という日を幸せと感じ、眠りについているに違いありません,,, ,~
Respect for the Aged Day
Tuesday, September 15, 2009