10月の音楽療法スケジュール
2024.10.02
皆さま、こんにちは。 ふくしのまち ミュージックディレクター&音楽療法士 の くどうきよこ です。「暑さ寒さも彼岸まで」・・・秋モード突入の今日この頃です。
9月は「グループホームふくしのまち鶴ケ岡」に新しいお客様A様がご入居されました。午前中のセッションでは「朝のうた」をボランティアの方とご一緒に、両手に付けた鈴をリズムに合わせながら笑顔で軽やかに歌われていました。A様は視力低下のためテレビモニターの歌詞は見えないのですが、その代わり聴こえてくる音に耳を研ぎ澄ませ「なつかしい」と言いながら、笑顔で歌われています。
残存機能を活かすことは介護の観点から大切なことです。先読み介助もありますが、自ら「いま」を楽しむ姿勢に感動しました。午後には娘様が面会に来られ『アカシアの雨がやむとき』がお好きとお話を伺いました。「暗い曲だからここでは歌えないしょ?」と娘様が気にされていました。たしかに曲の冒頭が「♬アカシアの雨にうたれてこのまま死んでしまいたい・・・」ではありますが、お客様からのリクエストが多い曲で、いままでもたくさん歌ってきました。なぜリクエストが多いのでしょう?・・・おそらく多くの人が人生の中で一度はそんな気持ちになったことがあったのかもしれません。でも同時に多くの人がその先に一歩踏み出すことができているのでしょう。
音楽療法では「同質の原理」というものがあり、悲しいときに元気になりたいからと言ってアップテンポの曲を聴くより、同じ気分の曲、暗い曲、悲しい曲などを聴いた方が効果があるといわれます。あとは好きな曲を歌ったり聴くのもドーパミンの分泌を促したりします。
その時のその方の思い、一緒に参加されている方々の思い、「いま、ここ」を常に感じながら音楽療法士はプログラムを進行していきます。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
10月の音楽療法スケジュールです。