ホームヘルパーという多様な働き方
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2024年02月現在

社員数481

入社54

クロストーク

秋田県秋田市

泉営業所訪問介護所長
豊澤純子

管理者兼サービス提供責任者
福岡美理

サービス提供責任者
澤藤奈知

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取材日:2023年12月18日

CROSS TALK MEMBER

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泉営業所訪問介護所長
豊澤純子

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管理者兼サービス提供責任者
福岡美理

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サービス提供責任者
澤藤奈知

プロフィール

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豊澤

秋田市にある虹の街泉営業所のホームヘルパー3名によるクロストークです。訪問介護に対するそれぞれの想い、子育てをしながらの働き方やホームヘルパーならではのエピソードなどをお茶っこしながらゆる〜く、でも真剣に語り合いました。
「ホームヘルパーという多様な働き方」読み終わったら、もしかしたらあなたも「ホームヘルパー」を目指したくなるかもしれません。どうぞご覧ください。

訪問介護をはじめたきっかけ

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豊澤

私は「ホームヘルパーになろう」「介護職に就こう」とは正直まったく思っていなかったんです。
県外出身で、10数年前に、親の将来の介護が心配になり、仕事ではなくて、資格を取って、親の介護に役立たせようと思ったんです。
当時は幼稚園で保育補助を2年程やっていたのですが、仕事をしながら夜間コースに通いました。夜間コースで出会った講師が私よりだいぶ若い方で、先生はただ資格取得のためではなく、受講生をいずれ介護業界に送り出したいという想いで教えてくださっていました。その想いを受けて、私の気持ちもだんだん変わっていったんです。保育補助の仕事に区切りを付けて、なるべく1歳でも若いうちに、もう1日でも早く介護をやりたくなってしまいました。
親の介護より前に「高齢者の方のいる現場に出てみたいな」「学んだことは本当なのかな」など体験したくなったんですよ。
子育ての最中でもありましたが、それがきっかけです。

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福岡

私は高校を卒業してからずっと介護の仕事をしています。高校は生活科という科で、保育・介護・看護・調理の4つの分野を1通りやってみて、その中で介護を選びました。
お世話をするのが好きで、保育ともすごく迷いましたが、介護を選びました。
最初の就職は病院で看護補助をして、次がサービス付き高齢者向け住宅で介護をしていました。施設介護の中でお客さまの「ご自宅に戻りたい」という気持ちを強く感じて、在宅支援の仕事がしたいと思い、訪問介護を始めました。

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澤藤

私も高校を卒業してから、病院で看護助手、それからデイサービス、そして今が訪問介護です。
病院・施設とあまりに忙しくて、病院の利用者さんと1対1でお話をすることもなかなか難しい状況でした。
具体的には、利用者さんから話しかけられても「業務で全然話ができない」「利用者さんは、話したいのに聞いてくれない」という声が実際にあり、流れ作業というか、時間に追われてる仕事だったんです。
コミュニケーションは表面でしか出来ていないことがあったので、病院・施設では「お客さまとじっくりと関わることができないな」と思い、転職先を探している中で「訪問介護という選択肢もあるな」というのが、私の入り口でしたね。

訪問介護と施設などの介護の違いについて

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豊澤

ホームヘルパーが時間をかけて、お客さまとのコミュニケーションを取れるかと言ったら必ずしもそうではないです。
介護サービスの中に、お客さまの生活援助、例えばお料理作り、お掃除やお風呂、おむつ交換など、ご要望に合わせて仕事をしているのがホームヘルパーです。
開始から終了までの手順を計画し、それぞれのお客さまに合わせて対応しています。施設も忙しいけれど、ホームヘルパーももっと忙しい部分があると感じています。施設経験者にとって、ヘルパーさんは「もしかしたらちょっと楽な仕事なのかな」と思っていても、実際やってみて「違うな」という声が多かったりもします。

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福岡

施設と訪問介護の違いは、お一人お一人の違ったニーズに応えられるところです。
それと普段1人では在宅で暮らせない方でも私たちが1日2回、3回と訪問することによって、ご自宅で暮していけるようになることが、良いところだなと思いますね。

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澤藤

訪問して1時間や2時間のサービスの中で、入浴介助だったり介護サービスをするわけですが、コミュニケーションを取れること、それが一番のポイントですね。
訪問介護の中で心配なのは転倒です。特にマットが怖いです。ご自宅は整備されていない箇所も多いので、直接歩いてみて導線を確保し、安全にご自宅で過ごしてもらいたいと思っています。退室した後も、つまずいて転ばないように配慮をしています。

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豊澤

そういうふうに思ってくれて嬉しいです。
ホームヘルパーの仕事のやりがいは、人生の大先輩であるお客さまの間近で、さまざまな生き方・生き様を学べることです。
その生き方を色濃く感じるご自宅で、お客さまが自然とご自身のことを話してくれるような関係性になれたらいいなと思っています。
人生の一部分を私たちに託してくださっている。すごく重みがあり、やりがいがあります。最期はどこで終わるか分からないですが、いついつまで家にホームヘルパーが来てくれて、あの時良かったと思ってもらえれば嬉しいです。

訪問介護ならではのエピソード

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福岡

私が訪問介護をはじめた当初は、調理に苦手意識を持っていました。
一人ひとり、好みの味も全然違いますし、私のおいしいが、お客さまのおいしいなのかも自信が無いですから。
それでも調理を続けていくうちに、「この間の炒め物、おいしかった」と言っていただいて「あぁ、良かったな」と思いました。
苦手だと思っていたのですが、自信につながりました。
「どんなもの入れてるの?」と聞いてくださったりして。それもコミュニケーションですよね。

先輩と同行した時は、「まず最初に鍋は2つかけるんだよ」といったアドバイスをもらうこともあり、すごく時間の使い方の勉強になります。

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澤藤

社内での先輩とのやりとりで、私が1日のサービスを報告すると「あれもできたんじゃないか」という指摘をもらい、「自分でももっと気づいていかないといけないな」と思うことがありました。
そして、次のお客さまへサービスを行う時に、その観点を持ってすぐ実践できること、気づけたことに喜びを感じます。

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豊澤

もしかしたら、もっと良くできたかもしれないという助言は、終業時にさせてもらっています。福岡と澤藤の30代という若い年代で、人生経験の中でまだ積み重ねられていない観点もあると思っています。
それこそ私の娘の年齢ですから、親子ぐらいの感性と観点の違いは、どうしても埋められない差があるんですよ。
お客さまサービスの中で必要な観点というのが、実はもっと突っ込まなきゃいけない。人命に関わる部分は厳しくします。
それは若い年代がこれから生きていく人生の中で、一番自分の親と照らし合わせられると思うんです。
「あぁ、今まで経験してきたお客さまの反応に、親も似てきたな」と感じる時がいつか来ると思うんです。

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豊澤

一方で、若い方たちのパワーをものすごく感じています。
介護サービスだけじゃなくて、内勤でのスキル習得はスピーディで、2人で相談しながら進めてくれている部分は非常に能力が高いです。それぞれの責任はしっかり取る、ダメな時は相談してお互いに助け合う。なるべくみんながフラットに仕事も覚えていけるようにしています。

ライフワークバランスについて

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豊澤

施設と違い、拘束時間は少し緩やかです。
私たち社員は、8時間という勤務時間です。福岡・澤藤は、社員で残業なしのサービス提供責任者を担ってもらっています。
契約社員(以下:パートさん)は、子育てや親の介護が必要な方など、1日の中で働ける時間が限られる時短勤務の方も多くいます。サービス軒数、収入面の希望を聞いてシフトを組んでいます。
パートさんは、わりと自分のライフスタイルに合わせた時間内で、お子さんのPTA活動や行事に合わせて休みにしている方も多いです。「半日行事があるので、1日休ませてください」という方もいれば、「中抜けさせてください」という方もいて、それぞれの毎月の予定を事前にいただいて、私がそれを加味してスケジュールを作っています。
融通は効かせるように、家庭を優先で計画を立てます。パートさん・社員さんも含めて、私はもう「家庭第1、仕事第2」と言ってきています。ご家族の気持ちが潤ってのお母さんですので。みんな、ご家族に喜んで送り出してもらえる環境が必須だと思っています。

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澤藤

うちも小学校と保育園から発熱での呼び出しや、行事などで休まなくてはいけない日が続いてしまいがちです。
ヘルパーは1人仕事なので、急な休みだと本当に申し訳ないのですが、可能な範囲で調整していただいて、早退だったり、お休みをいただいたり、非常にありがたいです。子どもの元にすぐ駆けつけることができています。

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福岡

ホームヘルパー・・・というより豊澤さんが、と言った方がいいかもしれませんが、下の子は小さいので頻繁に熱が出てしまって、保育園から「発熱です。でも、保育の時間が残り少ないので様子みますか?」という連絡の時でも、豊澤さんは「いいよ、いいよ、シフト外すから病院に連れて行ってあげて」と言ってくれました。
一応病児保育も登録しているのですが、豊澤さんが「なるべくなら自分で看れるのが一番いいから」と調整してくださり、本当に助かっています。

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豊澤

すごいね(笑)
客観的に聞いてたんだけど、やっぱり子育てしながらで大変だったんですよ。
どうしても抜けられなくて一人で寝かせていることとか、私は辛かったんです。
子どもにも申し訳ないし、病院が終わってしまいそうな時間まで仕事してて、自己嫌悪になりながら訪問していた時期があったので、そういう想いを誰にもさせたくないと思っています。
私も安心するし、向かっていくお母さんたちも安心だし、あとはここで安心して働いてもらえるように、職場環境をより良くしたい気持ちもあります。女性として働ける職場環境の強みとして、こだわってやってきています。
発熱の呼び出し以外の行事でもお母さんが行くと、子どもが張り切って力を発揮するじゃないですか。それもうちの娘を見てきて「あぁ、嬉しいんだ」「すごい頑張ってるな」というのを見てきたので、そうしています。

ホームヘルパーのやりがい

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福岡

あえて一言でいうと、やっぱり一番は「待っててくれる人がいる」ことです。
私たちがいつも行くのを待っててくれている人がいるのは大きいです。

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豊澤

そうだね、それも大事だね。そのために向かうもんね。

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澤藤

私は、退室した際の「ありがとう」と感謝された時ですかね。
「〇〇やってくれて、ありがとう」だったり、「また来てね」とか、顔や名前覚えてもらったりすると、親近感というか、お客さまに一歩近づけたかなと感じますね。

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豊澤

そうだね。役に立てたなと思えた時、やりがいだよね。
お客さまと共に少しでも充実した潤った時間を感じてくださっていたら、やりがいを感じるなと思います。
認知症の方もたくさんいて、私たちのことをすぐに忘れてしまう方もいるんだけれども、お客さまがその時間の中で安全に時々は笑いながら過ごせてるということは、少し役に立ててるのかなって思えますね。そういう関係を何10人の方と関わらせてもらっているのは、なかなか無いすごい仕事だなと、人との出会いが多いので、そのやりがいをすごい感じますね。

困難事例といったご紹介もあります。「さて、どうしてやっていこうかな」と感じて色んなことを考えるわけですよ。どこからスタートして福岡・澤藤2人に任せて、そして下のヘルパーさん達に仕事を振り分けて、やがてお客さまの生活が安定していく。
困難事例と言われたけれども、クレームなく今のところやれてる時に「あぁ、みんなすごいな」「私たちのヘルパー事業所はすごいな」と感じた時に大きなやりがいを感じます。

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福岡

確かにそうですね。
豊澤さんの話を聞いて、先程の話を補足すると、1人で寂しい時間が長いお客さまだと本当にもう待ちくたびれているんです。
「福岡さんが来るの待ってたよ」と迎えてくださったりします。
天候が悪い時に行っても待っててくださると「あぁ、来られて良かったな」と実感します。

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澤藤

そうですね。
やはり「ありがとう」の感謝と顔や名前覚えてもらって、「また来てくれた」と話してくださると「良かったな、嬉しいな」と思います。お客さまの生活の一部として存在できるところにやりがいを感じます。

皆さんのこれからの目標を教えてください。

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福岡

身体的にもう少し重い方のケアをしてみたいです。
私は前の施設で資格を取っていて、流動食や経管、吸引など色々あるのですが、そういったお客さまは現在いらっしゃらないので、少し重いお客さまがいたら、すごい勉強になるかなと思いますね。

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豊澤

それに関しては専門的な条件が必要で、事業所に最低3人同じ資格持っていないといけないんですね。でも、そこを目指して資格取得をしてくれる人がいれば、将来の目標実現が見えて来るし、背中を押したいなとも思います。

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澤藤

入社当初は、段階を踏んでケアマネジャーの資格を取りたいなと思っていました。
けれど、訪問介護は「一番にお客さまに寄り添っているな」と感じ、「今の訪問介護を極めたい」「もっとできるようになりたい」と思うようになりました。
ステップアップよりも「訪問介護でもっと自分を作っていけたらな」と思います。挑戦や目標というよりは、今をもっと深くしていきたいなと思います。

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豊澤

あぁ、いいですね。訪問介護をやって、この仕事のやりがいを感じて、「極めたい」「もっと奥を知りたい」という気持ちを持ってくれていることに、すごく応援したいなと思いました。

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豊澤

2人の話を聞いて、明るい未来を感じました。安泰です。
こういう機会じゃないとね。それぞれの想いというのが分からない部分もあるので、聞けて良かったです。2人には、今の純粋なまっすぐな気持ちを失わないで欲しいと思います。何年も経つと、ホームヘルパーはお客さま本位だと分かっていても、どこかでちょっと上からになっちゃう時があります。その時に今の気持ちに立ち返って、お客さまと同じ目線に立って、ブレている自分に気づいて、すぐに軌道修正ができる力を養って欲しいですね。

まとめ

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豊澤

今回、本当に福岡・澤藤がいい成長を遂げていけるんじゃないかなと感じられました。手前味噌ですが、ホームヘルパーの今後に期待が持てる良いクロストークになったと思います。

お客さま一人ひとりが違うように、働く私たち一人ひとりも違って、子育てや親の介護などさまざまな事情があります。その中で、訪問介護は多様な働き方ができることをもっと多くの方に知って欲しいですね。
これから介護を目指す人たちに、訪問介護・ホームヘルパーの良さが少しでも伝わったらいいな。と思います。

本日はありがとうございました。

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